「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに、人生と仕事を少しだけ軽くする読書の時間をお届けします。
(1)情景と導入
「アワノトモキの読書の時間」31冊目は、
批評家・作家・哲学者・経営者という多様な側面を持つ、
東浩紀さんの著作『観光客の哲学 増強版』。
東浩紀さんについては、
出版社・人文系のトークイベントなどを多数主催されている
「ゲンロン」の創業者としてご存じの方も多いかもしれません。
1回目の序盤は、今回扱う本の続編として
2023年9月に出版された東浩紀さんの最新作『訂正可能性の哲学』の「訂正」というワードから、
横みちを二つほど扱っています。
(2)本書とエピソードの核心
一つ目は、星野さんの名著
『コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。つながる生き方――共創で夢を叶える』。
Kindle版のため、出版後も随時「訂正可能」であり、オンデマンド出版という非常にWeb・デジタル的な特徴を持つ本です。
もう一つは、一部で話題になっているている社発行の雑誌『新百姓』。
Amazon等では購入できず、雑誌づくりの方向性に共感した書店中心の販売で、
発行部数を限定し、紙の良さを追求しています。
どちらも良さがありつつ、有限性に惹起される渇望、
常にアクセスできないことによる想いが募る状態などへと話題が展開しました。
本編に戻ると、私(アワノ)が『観光客の哲学 増強版』をチョイスした理由は二つあります。
一つは、
「観光客的な在り方=偶然性、無責任性、曖昧性を持つことが自分に必要ではないか」という必要性に駆られて。
もう一つは、
X(旧:Twitter)上で、社会学者の岸政彦さんに泥酔して絡み、
ブロック・罵倒されている東浩紀さんの姿を見て、「人間っぽさ・親近感」を感じ、
思いがけず読みたいと思ったこと。
(3)問いと余韻
この二つ目の事象を目にしなければ、
仮に本は読んだとしても、このPodcastでは取り扱わなかったかもしれません。
まさに偶然です。
なお、書籍に「観光客」という題名はついていますが、
有名観光地や観光業に関する本ではありません。
メタファー(比喩)としての
「観光客的な在り方」=偶然性、曖昧性、無責任性を帯びた存在の意味を取り扱った本になります。
最後に、2週目に取り扱うキーワードは三つ。
裏口から引きずり込む戦略
他人の欲望を欲望する時代
誤配・観光・憐れみ
書籍情報
書名:観光客の哲学 増強版
著者名:東浩紀
出版社:ゲンロン
Podcast「アワノトモキの読書の時間」
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