「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに、人生と仕事を少しだけ軽くする読書の時間をお届けします。
(1)情景と導入
『モモ』についての対話が続きます。作品が持つ世界規模の読まれ方や、50年を超えて読み継がれてきた背景に触れながら、物語がいまの社会とどこで響き合うのかを静かにたどっていく回です。雑談が失われていく感覚や、どこか現代にも通じる空気が、ゆっくりと語られていきます。
(2)本書とエピソードの核心
時間泥棒の話、子どもたちの空想遊び、都市の変化。フィクションだからこそ届く批評の形について、作品の場面を手がかりに深めていきます。モモが象徴する「聞く」という行為の価値と、そのシンプルさがどのように広がりを生むのか。会話は社会背景へと枝を伸ばしながら、物語の芯を丁寧にたどっています。
(3)問いと余韻
モモは聞く天才だが、それをスキルと思っていない。ただ相手に時間を渡すだけ。そんなあり方が、現代の傾聴とは少し違う響きをもつのかもしれません。迷い、弱さも描かれるモモの姿から、大人のほうが深く受け取るものがあるという話へとつながり、研修の教材にもなりうるのではという視点も生まれます。さまざまな角度から『モモ』を再発見する回として、静かな余韻が残ります。
書籍情報
モモ
ミヒャエル・エンデ
岩波書店
Podcast「アワノトモキの読書の時間」
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